無彩色なキミに恋をして。


夢の中へと堕ちる中
胸の奥に引っ掛かって離れない事がもう1つあった。

それは
どうして燈冴くんは元宮さんに会ったのかって事。

そしてその理由を、なぜ最後までわたしに話してくれなかったのか…


それだけは
隠しておきたかった?――――





あれから燈冴くんのおかげで風邪は完治。
食事も摂るようになって仕事も復帰。
会社に到着するなり色んな人から過剰にまた心配されて『何かあったらすぐ言ってね!』って温かいお茶の用意まで。

そんなことを求めているわけじゃないのに
こういう《《仕打ち》》に何も言えない自分が情けない…


それと燈冴くんにも…。

『距離を、距離を』って突き放していたつもりが
何1つ上手くいかなくて結局助けてもらって
黙っているつもりが全部吐き出して作戦は失敗で終わるし、最後の最後に彼の”影”の部分が気になって締めくくられただけで…何も解決しなかった。


でもまだ終われない。
わたしには話し合いたい相手がいて
夕方、会社の外でその人を待っていたーーーー


「え…・・漣、さん…?」

それが元宮さん。

『少しお話を宜しいですか?』と持ち掛けて
会社の隣にあるカフェに同席してもらった。