星に愛された彼女は


ここで忘れないのがちゃんと大人っぽさも忘れずに少し苦笑も混ぜる

「えーっと…どちら様で?」

「大変失礼を…レディーに見とれてしまって自己紹介を忘れていましたね」

腰を曲げて、まるで絵本の中の王子のように微笑む彼に実際喋ったときとの印象の違いを受ける

もうちょっと腹黒い感じだったのに…

性格をなぜ変えているのか不思議だったが自分は変装までしているので人のことをあれこれ言えない

「僕は……ハルキと言います。好きなように呼んでください」

ニコッと笑いかけてくる永磨…いや、ハルキに微笑み返す

名前隠すってことは…永磨としてじゃなくてこっそり来たってことか?何をしに来てるんだ?

「ハルキって呼んでいーい?」

「もちろん、レディーの名前は?」

「んー…内緒」

考えてなかった…咄嗟に内緒と言ってしまったせいでハルキは目を見開いて私を見る

「では、なんと呼べば?」

首を傾げるハルキに何にしようかと考える