「じゃあ、長居しても申し訳ないんで、行きますね。」
そう言って怜に声を掛けてから先生を置いてカーテンの中から出る。
「ま、待って!!」
先生が声を荒げるので思わず足を止めた。
「玲央くん…あなた…」
その先を合わせないように振り返って先生の口元に手を伸ばす。
「おんっ…」
口を押さえるのが間に合わなくて言おうとしている言葉が分かってしまう。
俺が気まずくて下を向きながら先生の口を抑えている間も先生は俺を見つめた。
「…玲央。行くなら早く行こう」
怜が助け船を出してくれるので先生の口から手を放した。
「っ、怜央くん。私、話聞くからね!」
「…はい。」
早口でそう言ってくる先生に俺は反応は見せずに返事だけして怜と保健室から出た。


