「なっ!…怜を離せ…」
すぐにそいつに近づいて手をひねり潰してやろうと怜を掴んでいる手を触ろうとすると東雲がその俺の手を掴む。
「反抗したら弟くんが大変な目に遭っちゃうよ?」
「ッ…!」
東雲の手を振り払って睨み付ける。
怜からゆっくりと一歩離れる。
「それでいいんだよ」
東雲が手を上げて合図すると怜を掴んでいた男は怜の髪を離して東雲の後ろに戻った。
怜はソファーに横たわったまま、まだ目が覚めないようだった。
怜を見つめていると横から足が近づいてくるのが見えたのでそのまま避けずにジッとしていると顔に蹴りが入る。


