「はじめまして。僕は月森一。」
さっきは触ってごめん。
と、俺の目を見ずに下を向きながら月森は言った。
俺は無視してふいっと視線を逸らした。
「さぁ、玲央くん。僕とお話ししようか。」
話し掛けてきた東雲の方を向くとクイッと俺の顎を上げてきた。
「綺麗な顔だね…こんな男にあの日説教されたのかと思うと本当に…」
吐き気がする、と言って蹴り飛ばそうとしてきたので避ける。
クソ、こんな顔のせいでイラつかれるならさっき取れたときかぶり直すべきだった。と、少し後悔する。
「避けないでよ。次も避けたら」
そこまで言うと東雲の後ろにいた男が怜の髪を乱暴に掴む。


