星に愛された彼女は

怜には準備室にいてもらって私とナオは美術室を出た。

「どこで話す?」

「どこでもいい。誰も来ないところ」

ナオは、んーと考え込むと「あ」と声を出して表情を明るくした。

「おっけぇー、じゃこっち来てぇ」

パタパタと手招きをするナオに着いていく。

「怜央くん、怜央くん」

「…なんだ?」

可愛らしく首をかしげて俺の名前を呼ぶナオに目線を向ける。

ナオはニヤリと口角を上げてなにか喋ろうと口を開いた。

『み・れ・い』

声には出さなかったが口の動かし方でそう言っているのが分かった。

「……今なんて言ったんだ?」

顔には出さずジッとナオを見る。

なんでコイツが知ってるんだ?銀髪が話した…?あの銀髪が総長で優男メガネが副だと思ってたがコイツが副なのか…?

様々な疑問が浮かぶ中ナオが口を開く。

「分かんなかった?声に出そうか?」

先程と変わらぬ笑みで接してくるナオの腕を掴んだ。