星に愛された彼女は


コクンと頷くと怜が持ってきてくれたブラウニーとスプーンをもらう。

またパクリと一口食べると口元が緩みそうになる。

「おいしい?」

ナオがニヤニヤして聞いてくる。

ナオは何度か来た水曜だけで私と怜のことをよく見て知ろうとした。

この通り、私の好きなものまで見破られている。

…このまま関わっていったらいつか月光のこともバレそうだなと頭の隅で考えながらうまい、と返事をした。

…なんだか私まで情に絆されそうだ。

ダメだと自分に暗示をかけ弱りかけていた警戒を強める。

「…ナオ、後で二人で話せないか」

ナオは私から声を掛けられたことに驚いたのか少し目を見開きその後にやっと笑った。

「喜んで」

※ちなみに玲央と怜は基本、準備室だけフードを被っていませんが誰かがきたときは被ります。(怜だけナオが来たときも外している)