星に愛された彼女は


それからのナオは一週間に一度、水曜日にだけ準備室に来た。


「怜くん、怜央くんおはよぉー、おかし持ってきたよ?」

「ナオ!」

直央の声を聞くと怜はバッとナオに駆け寄る。

「今日はどんなおかし持ってきてくれたの?」

ナオの持っているビニール袋に興味津々のようだ。

「今日はコンビニスイーツだよー、怜央くんは?甘いもの平気だったよね?」

机の上に買ってきたスイーツを広げながら話し掛けてくるナオに目線を向ける。

「…いらな「チョコブラウニー」

その名にピクッとあからさまに反応してしまう。

「いらないの?せっかく怜央くんのために買ってきたんだけどなぁ…」

……別にチョコブラウニーはいつでも買える。

「このブラウニー新発売のコンビニスイーツで大人気すぎてなかなか買えないんだよなぁー」

…………

私が悶々と迷っていると怜がこちらに近づいてくるのが分かる。

「れーお。顔あげて?」

「?」

言われたとおりに顔を上げて怜を見ると口にボスッと何かが入った。

…!あ…まい…

「せっかく買ってきてくれたんだから食べよ!」

ね?と、ふにゃっと笑う怜に肩の力が抜ける。