「んー、悔しいなぁ…僕、人を引き入れるの得意としてたはずなんだけどなぁ」
「もし俺らがお前らに興味が少しでもあったら乗ったかもな。」
「そう?残念だなぁー」
……ナオってやつは嫌いではない。
断られたら潔いところも、その相手を見極めるところも。
「じゃあ、僕らは帰るとしますかー」
「はぁ!?いいのかよ!リクトに怒られんぞ?」
「いーの、いーの…ってことでバイバ─」
「ナオくん」
手を振って窓から出ようとするナオに怜が声を掛けた。
ちょこっと服の裾を掴んで怜はナオを見た。
「……た、たまにならナオくんだけなら…来ても…いいよ…」
ナオは自分より小さい怜を驚いた顔で見るとフフッと笑った。
「うん、ありがと怜くん。」
今度こそじゃーねー、とリキと部屋を出たナオ。


