「もう!」

怜は少しだけ怒ると一気にスピードを上げた。

「ちょ、ホントに事故るぞ!?」

「僕はそんなへましないもん!」

…はぁ、こうなったら頑固だな。

少し呆れていると見慣れた景色が通り過ぎる。

「着いたよ!」

怜はほら、事故らなかったでしょ?とでも言いたいかのようなドヤ顔だった。

「あんがとな」

ぽん、と頭を1回軽く触ると怜はふにゃりと口元を緩めた。

女子?女子だよな?怜なら女子でも大歓迎だけど

ハッ…私はなにを…

ブラコンが最近加速してきたな…。

なんてぼけっと考える。

「美玲?入ろーよ。」

怜の声で意識を戻す。