「美玲ッ！」
ハッと怜の声で目を覚ますと視界は歪んでいてとどめなく涙が溢れてきた。
「れ…い…」
「美玲、よかった…」
体を起こすとふわりと怜が抱きしめてくれてなぜか安堵する。
…怜は安定剤みたいだ。
ギュッと怜の背中に手を回す。
「怜…ごめん、記憶が…あの女が頬を触ってきてから途切れてて…何かした…？」
最後の方はか細い声になってしまったけど怜には届いたはず。
「大丈夫…誰もケガしてないよ。美玲は誰も傷つけてない。」
その言葉と優しい声に安心した私はまた涙がこぼれる。
ホント…このことに関して私弱すぎ。
「止めてくれたの…怜？」
「うん」
「あり…がと…」
「うん…何度でも止めるから」
あぁ…怜だけだ。私のこと分かってくれて受け止めてくれて抱きしめてくれるの。
