「…、ない」

「あ?」

「忘れた、」

「なにを?」

「教科書…」

「俺も」

「あ〜もう、ほんとに?やっちゃったよ、どうしよ」

「別に教科書くらいいいだろ」

「それは咲斗が成績がいいからであって、」

「毎回赤点の烏兎ちゃんはやばやばなわけね」

「今日、自習だったりは…」

「しない」

終わった…

教科書を忘れ、先生に怒られ、挙げ句の果てにその状況を琥珀くんに見られるかも知れないって言う三重苦、


初めて使った三重苦なんて難しい日本語。


ん?今のってもしかして倒置法?いや、違うか、ん?いやでもな…


「で、どーすんの?」

「現実に戻すの得意だよね咲斗くん」

「俺、頭いーから」

「あたしも良いよ」

「おーおー互角互角」