だめだってば、いろはくん。

一体この仕草で何人の人を虜にしてきたのだろう…

いきなり頭に浮かんだ考え
ちょっとそう思っただけなのになかなか消えてくれない。


これも彼の作戦なのだろうか…

そもそも一体なんで急に話しかけてくるのだろう

琥珀くんと話したい気持ちはもちろんとんでもなくあるけど

そんなことしたら『あの人』が言ってたように迷惑をかけてしまうに違いない


話さないのも話しかけないのもあたしにとって嬉しいことは何一つないけど

それが彼にとってプラスに働くことならば
あたしは迷うことは何一つないと思いながら過ごしてきた


でも


目の前にはなぜかるんるんであたしと手をつなごうとしてくるひとがいる

「え、ちょ、な、にしてるの!?」

あたしがした選択は合っていたのか本気で心配になった。