だめだってば、いろはくん。

「…転校するかも」

「大丈夫だよ、こんなに久しぶりに話したのに十分も話せた」


まるで『これから頑張ろう!』とでも言いたそうな物言いで話しが続く

今話したのが会話なら世の中会話だらけだ


「噛み合ってなかったじゃん」

「どこが?」

「…」


どこがと言われても正直覚えてない

頑張れあたしの記憶力

と言いながらも思い出せない、浮かばない


もう仕方ないのです。

「分かった…最低限でお願いします」

仕方なく…仕方ないのか?分からないけど渋々了承すると琥珀くんの表情はぱあと明るくなる

「ありがとう、じゃあ早速次の授業一緒にいこ?」


…いったい何を言っているんだろうこのお方は。

もしかして最低限という言葉を知らないのかもしれない