若旦那の恋は千鳥足

ホームには、思ったよりも人がいた。
あ、職場によったら三連休だから、旅行に行く人も多いのかも。



しばらくすると、ホームに新幹線が入って来た。
新幹線に乗るのも、ずいぶんと久しぶりだなぁ。
乗り込んだのはグリーン車だった。
グリーン車に乗るのは初めてだ。
わぁ、座席が広いよ。



(あ、そうだ。)



「柚希さん、あの…新幹線代…」

「そんなの良いよ。
君は僕の婚約者なんだから、そんなこと、気にしないで。」



なんか嬉しいな。
払わなくて済んだのが嬉しいんじゃなくて、婚約者って言われたことがね。
柚希さんに想われてることが…



座席も、私を窓側にしてくれた。
そして、新幹線は滑るように走り出した。
あぁ、あと数時間で、柚希さんのご両親に会うのか…
緊張するなぁ。



「もしかして、緊張して来た?」

「えっ!?」

まるで私の心の中を見透かしたみたいな質問に、私はドキッとした。



「あ、あの…柚希さんのご両親って、どんな方ですか?」

「どんな…そうだねぇ。
まぁ、多分、優しい方だとは思うよ。」

「そうなんですか。」

優しいと聞いて、ちょっとだけホッとした。
柚希さんがどちら似なのかはわからないけど、柚希さんも冷静だし優しい。
だから、きっとご両親も優しいはず。