闇夜ヨルの恐怖記録 3

『それが、あることをすればその第4診察室が出現するんだ。中に入ると死神がいるらしい』


突然声を低くして言うユウキに、ユナは体が寒くなるのを感じて両手で自分の体を抱きしめた。


『その死神は寿命を教えてくれるんだって』


『死神って、魂を奪っていくんじゃないの?』


『普通はね。でも、第4診察室に出る死神は、そうじゃないらしい』


ユウキは一旦話を区切ってパックのリンゴジュースに口を付けた。


ユナも同じようにオレンジジュースを飲む。


甘い味が口いっぱいに広がって、少し気分が変わる。


『自分の寿命を知ってどうするの?』


『そりゃあ、その後の生き方を決めるんだよ。ここは病院だし、本当の寿命を伝えられていない患者さんもいるだろうしさ』


『そっか』


そう思うと今度は切ない気分になった。


自分の寿命があと少ししかないと知ったとき、人はどういう行動に出るだろう?


すぐに気持ちを切り替えて残りの時間を結意義に過ごそうとすることは、きっと難しい。


悩んで苦しんで泣いて、誰かに八つ当たりをするかもしれない。


そのときの気持ちを考えるとユナの胸はキュッと締め付けられるように痛くなった。


『それで、それを試したみた人はいるの?』


聞くと、ユウキは目を伏せて初めて言葉を濁した。


『どうしたの?』


『あぁ……。実は俺、実際にやった人からその話を聞いたんだ』


『そうなんだ! ねぇ、その人に直接話しを聞けないかな? そうすれば本当の噂かどうかわかるよね?』


しかし、ユウキは左右に首を振った。


そして泣いてしまいそうな顔を上げる。