201号室の病室内は恐怖中学校の生徒たちで満杯だった。


白いベッドの上には1人の男の子が横になっていて、その子を中心に笑いが沸き起こっている。


「シュンヤが病気だなんて信じられないな」


メガネをかけた少女が笑顔で言った。


「俺だって信じられないよ。だって、こんなに元気なんだから」


ベッドの上のシュンヤはそう言って入院着のそでをたくし上げると力こぶを作ってみせた。


「みんな待ってるんだから早く退院しろよ」


シュンヤが入院する前までは毎日のように一緒にサッカーをしていた男子が言う。


シュンヤは白い歯とえくぼをのぞかせて笑い、頷いた。


「もちろんだ。サッカー練習して待ってろよ。退院したら対決だ」


「のぞむところだ!」


1年C組のクラスメートたちは面会時間ギリギリまで病室にいて、それから帰っていった。