闇夜ヨルの恐怖記録 3

カイは基本的にはアリスの言うことをすべて聞いてくれる。


あのお店で聞いたような、言うことをきかなくなるような現象は今のところ起こっていない。


しゃがみこんでくれたカイの後頭部がすぐ目の前にくる。


アリスは少し躊躇したあと、手を伸ばしてそっとカイの髪の毛をかきあげてみた。


すると髪の毛で隠れていたうなじがあらわになる。


そこには数字が書かれていてアリスは眉を寄せた。


「なにこれ」


呟き、指先で数字をなぞる。


20☓☓625。


まるで年月日のように見えるそれ。


「ねぇカイ。首の後の数字ってなにかわかる?」


「あぁ。僕がここにいられる時間だよ」


スラリと説明されて頭の中が真っ白になる。


「え……なにそれ?」


「僕は6月25日までしか持たない。その後はドロドロに溶けて消えてしまうんだ」


カイはなんでもないことのように言ってのけたが、アリスはまだ理解が追いついていない。


カイがここにいられる時間?


ドロドロに溶けて消える?


そんなの聞いてない!!