それから3時間くらい経過したとき、女性が消えていったドアが開いた。


アリスは弾かれたように立ち上がる。


「できたわよ」


本当にもうできたの?


疑いの言葉が喉元まででかかった。


人間を作るなんて簡単なことじゃない。


何日、何ヶ月、何年も待つことになるかもしれないと思っていた。


それが、たった3時間だ。


「さぁ、こっちにきて」


女性がドアの向こうの誰かに向けて声をかける。


アリスはごくりと唾を飲み込んでドアの向こうへ視線を向けた。


そこから出てきたのは長身の男性だった。


パリッとしたスーツを着ていて、髪の毛はサラサラでとてもツヤがある。


そして顔は……アリスの理想通りの人だったのだ。


アリスは思わず両手で自分の口を押さえていた。


「やぁアリス」


その人は笑顔でアリスに近づいてくる。


「あなたは……」


「名前はあなたが決めてあげるのよ」


女性に言われてアリスは男をジッと見つめた。