闇夜ヨルの恐怖記録 3

「それで、あなたはどんな人を作りたいの?」


聞かれてアリスはハンカチにくるんだ髪の毛を女性に差し出した。


女性はハンカチごと両手でそっとそれを受け取る。


まるで宝石を扱うかのような仕草だ。


「理想的な彼氏を作りたいんです」


「彼氏ね。そう……」


女性がマジマジと髪の毛を見つめるのでアリスは少し怖くなった。


ただの髪の毛じゃダメだったのかもしれない。


毛根がついていないとダメだったのかもしれない。


そんな不安を打ち消すように女性は笑顔でアリスを見た。


「わかったわ。私は学生さんが相手だからって仕事を断ったりはしないの」


その返答にホッと息を吐き出した。


「あの、お代はいくらになりますか?」


いくらも持っていないのだけれど、それは大切な質問だった。