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ハッと我に返った時、アリスは廃墟のソファの上にいた。


あのまま朝まで眠ってしまったようで、割れた窓から差し込む朝日が眩しかった。


ポケットの中に大切にしまっているハンカチを取り出し、くるまれている髪の毛を確認する。


そこには確かに昨日手に入れた彼の髪の毛があった。


「これで私にも彼氏ができる」


キユナの彼氏よりももっともっと素敵な彼氏だ。


なんていっても社会人というポイントは高い。


年齢は離れているかもしれないけれど、そんなこと気にもならなかった。


アリスはさっそく手作り人間工房を探すために廃墟を出た。


300円均一の雑貨屋で購入したサングラスと帽子をかぶり、今日は駅前のお店から攻めてみようと考える。


歩き出したとき、不意にスマホが震えた。


画面を確認してみるとまたキユナからのメッセージだ。


《キユナ:今どこにいるの?》