俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~


 どうにもいたたまれなくて、私は涙を拭って咄嗟に腰を上げた。


「より子」
「さ、散歩……行ってくる!」


 私を見上げてなにか言おうとする彼を振り切り、挙動不審になりながらそそくさとリビングのドアを開ける。ただただ乱れた心と鼓動を落ち着けたくて、着のみ着のまま外へ飛び出した。

 ……律貴、気づいたかな。気づいたよね、絶対。私の恋心に。

 誕生日にもっと可愛く告白するつもりだったのに、なんで勢いに任せてあんな駄々っ子みたいに……。後悔しかない。

 でも、これまでの夫婦関係を変えるきっかけになったんじゃないだろうか。頭を冷やして、帰ったらちゃんと話し合おう。

 あれこれ考えながら歩いていると、いつもの癖で白藍まで来ていた。私の散歩コースは公園と白藍の二パターンだが、今日は自然に足がこちらへ向いていた。

 せっかくだから図書館に顔を出して、柚ちゃんに元気をもらっていこうかな。

 そう思い正面玄関までのアプローチを通り始めてすぐ、右手にある庭のベンチに座っている女性に気づいてドキリとする。

 パジャマの上にカーディガンを羽織った朝美さんだ。長い髪はサイドでひとつに縛り、うろこ雲が広がる空をぼんやりと眺めている。