よっぽど衝撃的だったのか、呆然としている伊吹ちゃんを見て、秘密にしていたのを申し訳なく思う。
「ごめんね、ずっと黙ってて。タイミングを逃したのと、伊吹ちゃんたちが理想の夫婦すぎて、なんか気が引けたというか」
これが打ち明けられなかったもうひとつの理由。仲睦まじいふたりにこんな話をしたら、余計みじめになりそうでためらってしまったのだ。
黙っていたことに対して、伊吹ちゃんはまったく気にしていない様子で「いいんですよ」と首を横に振るも、神妙な顔になっていく。
「びっくりです……ふたりすごく仲がいいし、お互い想い合ってるように感じてたから。久夜さんなんて、ずっと前から付き合ってたと勘違いしてますよ」
「明神先生は律貴が言ったことを鵜呑みにしていそうね」
きっと律貴はなれそめを適当に伝え、人のいい明神先生はなにも疑わず信じているのだろうと思い、苦笑を漏らした。
私も似たようなものだけれど。『プロポーズされた』とだけ言って、伊吹ちゃんが誤解しているのを知っていて訂正しなかったのだから。
でも今本当のことを明かしたら、どんどん本音が出てくる。



