「朝美は中高一貫校で一緒だった、五つ下の後輩。深月と同じクラスだったんだ。最近、白藍に病気の治療をしに来ているんだよ。それについては詳しく話せないけど」
予想外の事実を明かされ、私は目が点になった。
朝美さん、本人が病気を患っていたとは。しかも、深月ちゃんの友達だったなんて。それなら仲がいいのも納得する。
「患者さん、だったの? じゃあ、さっき会う約束をしていたのも……」
「今度詳しい検査をすることになって、俺が診てあげられる日を教えただけ。ちなみに朝美って苗字だから」
いたずらっぽく口角を上げる律貴を見て拍子抜けした。
盛大に勘違いしていた私、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃない! でも、色恋の関係じゃなくてよかった。一気に気持ちが軽くなる。
「なんだ、そっか……」
ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、まだ完全には安心できないと気づく。律貴が片想いしていなかったとは限らないから。
もし恋をしていたのが朝美さんで、彼の心の中に今でも彼女がいるとしたらそれだけで大問題だ。ふたりで会おうが会うまいが関係ない。



