アサミさんに向けられる彼の声が脳内に繰り返し流れて、目の前の絶景が徐々に霞んでいく。幾度となくため息をついて湯船に目線を落としたとき、引き戸が開く音がした。
驚いて振り返ると、均整の取れた裸体を惜しげもなくさらした律貴がいて、私はバシャッとお湯を跳ねさせて肩をすくめた。
「えっ、なに!?」
「入りに来たに決まってるでしょ」
涼しげな顔でそう言い軽く身体を流した彼は、なんのためらいもなく湯船に入ってくる。私は自分の身体を抱きしめ、浴槽の隅に張りつく。
まさか一緒に入るとは思わなかった! お風呂上がりに律貴が上半身裸になっているのは何度か見たけれど、私が裸をさらすのは抱き合ったあの夜以来だし、体型も変わっているし、どうしたらいいかわからない……!
悩み事がすべて吹っ飛び、ただただ緊張で固まってしまう。そんな私を、色っぽい吐息を漏らして髪を掻き上げる彼がじっと見つめる。
「なんでそんなに隅っこで縮こまってるの」
「だ、だって」
近づけないし、まともに顔も見られないわよ。濡れたイケメンなんてウルトラデスソースくらい刺激が強すぎるんだから。



