俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~


 彼は私が抱えたダスティピンクの秋バラのブーケを見下ろし、「綺麗なバラだ」と言ったあと、いたずらっぽく口角を上げる。


「運を使ってしまいましたね」
「それ言っちゃいけないやつです」


 目を据わらせて即行でツッコんだ。私も今日くらいはネガティブ発想はしないでおこうと思っていたのに、まったくこの人は。

 せっかくいい気分で一日を終えようとしていたのに、このままだとまた言い合いになってしまいそう。というか、お呼ばれしたドクターや看護師たちはこれから一杯やっていこうと話していたのに、栄先生は帰るのだろうか。

 ちらりと後方を振り返ると、女性陣があからさまに残念がっているのがわかるし、こちらに向けられている視線が痛い。


「先生は皆さんと飲みに行かないんですか? 看護師の女性陣がとっても来てほしそうにしてますよ」
「もう十分飲んだんで。帰りましょう」


 彼女たちは気にするなと言わんばかりに、彼はさりげなく私の背中に手を当てて促した。

 先生のことだからきっと王子様スマイルで上手に断ってきたのだろうが、私なんかと一緒に帰っているのを見られたらなにを言われるか……怖いな。