「まだ酔いは醒めてないんだから、この状態じゃすぐ男に掴まって、それこそあなたが嫌がることをされるよ」
ビシッと放たれた言葉はごもっともで、ぐうの音も出ない。申し訳なく思いながらも、ひとまず栄先生の部屋で休ませてもらうことにした。
腰を支えられたままエレベーターに乗り、ニ十階へ向かう。
お邪魔した彼の部屋はとても広いが、北欧風のナチュラルさのおかげで居心地の悪さを感じない。北欧インテリアは私も好みなので、自分の部屋とも雰囲気が少し似ていてほっこりした。
みなとみらいの夜景が望めるリビングの大きな窓を背に、ベルベットのソファに座らされる。そうしてキッチンに向かう栄先生を、まだふわふわした感覚でぼんやり眺めていると、スポーツドリンクを用意して持ってきてくれた。
先生いわく、スポーツドリンクにはアルコールの分解に必要な糖分やミネラルが含まれているので、酔い覚ましにいいそう。
ありがたくそれをいただく私に、彼は腕を組んで呆れ気味に言う。
「もうすぐ三十歳になるんでしょう。人の世話にならない程度に、加減して飲むように」
「ハイ……」



