「やけに嬉しそうだね」
「うん。私、本当に鈍感でごめんね」
「なにを今さら。ていうか、なんでそれで嬉しくなるの」
終始ニコニコしている私に、半笑いで首を傾げる彼。
ドライなものだと思っていた結婚には、彼からの大きくてひたむきな愛情があったのだ。気づかなくて申し訳なかったけれど、その分これからたくさん返していきたい。
「律貴と、初芽と、今こうしていられてすごく幸せ。大好きよ、ふたりとも」
隣を歩く旦那様と、ベビーカーに乗ってご機嫌な娘に、交互に笑みを向けた。
彼も愛しそうに目を細め、片手で私の頭を撫でる。
「俺もだよ。これからもっと幸せにする」
この幸福に際限はないらしい。とても満たされた気持ちで最愛の彼に寄り添った。
求めるより与えたい気持ちが大きくなるって素敵なことだ。愛を与え合って、ついでにちょっと憎まれ口も叩き合って、いつまでも楽しく生きていけたらいい。
綺麗な花の前で足を止め、ふたりでベビーカーを覗き込むと、私たちの愛の証が声を上げて笑った。
・*:.。.End .。.:*・



