「うん……好き。私も、律貴が好き」
素直になった途端、気持ちが緩んで涙が込み上げた。愛しそうに微笑む彼の顔がゆらゆらと揺れる。
「本当は、律貴の誕生日に、もっと可愛く告白するつもりだったの」
「十分可愛いんだけど。今朝も、今も、より子はいつも可愛い」
「……お祝いもできなくなっちゃった」
「プレゼントはもうもらったからいいよ。より子の心がなにより欲しかったからね」
情けない泣き顔をさらし、声をひっくり返らせて喋る滑稽な私にも、律貴はシロップみたいに甘い言葉をたっぷりかけてくれる。
婚活したって出会えるはずがなかったんだ。運命の人は、こんなに近くにいたんだから。
彼の手は再び頭を撫でながら、頬を包み込んで涙を拭う。そのぬくもりで、次第に心は落ち着いていった。
涙も止まってから、私は少し表情を強張らせて気になっていたことを問いかける。
「ねえ、朝美さんは?」
「手術は無事終わったよ。これで合併症も起こらなければ、数日で退院できる。薬を飲んで日常生活に気をつけていれば、再発の頻度は少ないから大丈夫」
しっかりとした口調で返され、私は息を吐き出しながら「よかったぁ……」と心底ほっとした。



