俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~


 それ以来、栄先生の印象はガラッと変わり、密かな癒しがなくなってしまった。さらに、なんと約三週間後には伊吹ちゃんが明神先生とスピード結婚したのだから、さあ大変。

 以前、栄先生が言っていた、伊吹ちゃんがデートして残念がる人というのは明神先生のことだったらしい。つまり、デートする前からふたりは両想いだったというわけだ。

 なんて理想的な結婚だろう。伊吹ちゃんのことは私も好きだし、同僚でありいい友人でもあるのでもちろん嬉しいのだが、置いてけぼりにされたような感じもして寂しい。

 とにかく聞きたいことはたくさんある。入籍を報告された数日後、仕事終わりに飲みに行こうと彼女を誘った。

 やってきたのは、病院から近い路地裏にある隠れ家的な焼き鳥屋。美味しくてレトロな雰囲気も落ち着くので、私たちのお気に入りだ。

 カウンター席に並んで座り、お決まりのメニューをいくつか注文した。手際よくそれらが出されると、さっそく乾杯してビールを呷り、ぼんじりをかじって遠い目をする。


「伊吹ちゃんが結婚かぁ~。ついこの間、初デートのアドバイスをしたばっかりだったのにね」
「その節は大変参考になりました」