俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~


 行為が苦手という共通点が見つかり、ちょっぴり親近感が湧く。彼女の本心が徐々に見えてきて、私は真剣に耳を傾けていた。


「長くないかもしれないなら自分の心に正直に生きようと思って、りっくんにはたくさんワガママを言いました。再会したら好きだった気持ちがぶり返して、優しいから許してもらえるんじゃないかって甘えていて……。さすがに抱かれたいとまでは望まなかったけど、疑似恋愛をするだけで満たされた」


 律貴とのやり取りを思い返しているのか、朝美さんの表情は柔らかくなっていた。

 彼女が律貴に迫っていた本当の理由がわかり、私の肩の力も抜けていく。好きだからという単純なものではなく、複雑で切ない事情があったのだ。

 朝美さんは再び私を一瞥し、力なく微笑む。


「あなたにはわからないでしょう。健康で、赤ちゃんも産めるあなたには、私の不毛な気持ちなんて」


 確かに、自分が死ぬかもしれないと知ったときにどんな心境になるのかは、実際にそうなって初めてちゃんと理解できるものなのだろう。