でも、母がまた仕事に行ってしまうと私の部屋は変わる。
彩りも何もなく隙間風が入り込むような広さ6畳程の小さな部屋。
電気はなく、明かりが欲しい時は月明りやろうそくで凌いだ。
唯一置いてあるのは使い古された破れてクッションもないマットレスに、薄いブランケット一枚。
幼いころやってもいない罪を被せられてからここに連れてこられた。
何度違うと言っても、何度ごめんなさいと言っても聞く耳を持ってはくれなかった。
そこから私は認められたい一心で家事を自分からし始めたことで、使用人同然の扱いが始まった。
もう気付いた時には後に引けなくなっていた。
新しいこの家であれほどの部屋はないと信じたいが少し緊張してしまう。
都重さんの後をついていくように階段を上がり右に進んでいくと談話室のような、リビング的な空間が広がった。
暖かい色で彩られているその空間の奥には食事をするためだろうか…長い机と幾つもの椅子が置かれていた。
「ここが所謂リビングと言われる処だがここでは食事をしたり、談笑したりと共用スペースになっている。
あのテーブルの向こうの壁にアーム型の入り口があるだろう?」
言われた場所を見ると端の方にその入り口があった。
「あそこの奥はキッチンだよ。冷蔵庫のもの好きに使っていいからね」
そう言ってウィンクをされた。
都重さんはイケオジと言うものだろう。
その顔で真近でウィンクされて、思わず緊張して目を逸らした。
「さて、次は君の部屋に案内するね」
都重さんは反対の左側へと足を進めた。
そこには長い廊下と幾つもの部屋があった。
