表情を変えずに淡々と言う。
それにより腹を立てた叶斗兄は両手を強く握り締める。
愛華はそんな叶斗兄の手を取り、背中をさすって落ち着いてとあやしていた。
愛華は信じられないと言った様子で私を抱きしめている男の人を見ていた。
驚いていた表情から睨むような表情に。
私はあえて逸らさずに見つめ返す。
前世で何があったか知らないが、一つだけ分かったことがある。
きっと愛華は前世で一条寺家に居たが、今の私とは違う対応だったのだろう。
都重さんはどうか分からないが、恐らく三兄弟からはあまり歓迎されなかったんじゃないかな。
だから、より私のことが気に入らないのだろう。
まぁ、前世は前世だ。
今の私には何の関係もないけどね。
って、私抱きしめられたまんまだった。
慌てて腕の中から抜け出し少し乱れた髪を整える。
改めて私の兄…であろう男の人を見ると何を考えているのか分からない無表情で私のことを見ていた。
"助けてくれてありがとう"
そう伝えようと思った時、また叶斗兄の声が邪魔をする。
「遥華!いつまで俺のことを無視するんだ!」
全くもって会話が出来ない。
もう関係ないんだから放っておいてよ。
言い返そうとした時、
「お前何してんだ!」
声が聞こえてきたと思ったら、私と叶斗兄の間に星羽兄さんが入って来てくれた。
