その日の帰り。
私は一人でバスにでも乗って帰ろうとした時、星羽兄さんに声をかけられた。
まだ周りに人がいる状態。
もっと言えば教室だったから、周りから声が上がり好奇心の目線の的になった。
一瞬驚きはしたが折角星羽兄さんから声をかけてくれたのだ。
断るなんてことはしなかった。
私は微笑みながら星羽兄さんの後に着いていった。
来た時と同様、裏門に迎えが来るらしい。
二人で特に話すこともなく無言のまま迎えが来るのを待つ。
その時、星羽兄さんから声が挙がる。
「しまった…バスケのキャプテンに呼ばれてたんだった」
バスケ?
何故バスケ?
星羽兄さんはどのサークルにも所属していないと風の噂で聞いた。
「星羽兄さん、バスケのサークルに入ってるの?」
その言葉に星羽兄さんは首を振る。
「いや、入ってはいない。
入ってはいないが、よく助っ人頼まれんだよ」
そういや、星羽兄さんって体力お化けの運動神経抜群なんだっけ…
数々の運動サークルから声がかかっていたらしいが、本人は「面倒」と一刀両断。
助っ人でたまに手伝うなら良いらしく、試合が近いサークルの人たちは星羽兄さんの取り合いになるらしい。
そんな感じだから性格とか手先も不器用なのかと思ったら真逆。
ヴァイオリンの天才で、繊細な音色を響かせて多くの賞も総なめ。
そりゃ、こんなイケメンで運動神経も良くてヴァイオリンも弾けたらモテるに決まってる。
