その声が聞こえたと同時に私を掴んでいた手が離されて、誰かの背に庇われる。
叶斗兄は手を振り解かれてよろめきながら尻もちを着いていた。
愛華は驚きながら叶斗兄に駆け寄る。
私を助けてくれた、この人の声を私は知っている。
「星翔兄さん……」
まさか来てくれるなんて、助けてくれるなんて思わなくて呟く声で驚く。
「お前ら…誰の妹を連れて帰るって?」
低い声で下にいる2人に向かって冷たい視線を向ける。
私の方からは星翔兄さんの顔は見えないが、叶斗兄と愛華の顔が怯えている。
でも叶斗兄は首を振って目を覚ますと立ち上がり、星翔兄さんに詰め寄る。
星翔兄さんは顎を上げ、見下すような姿勢を崩さなかった。
星羽兄さんと叶斗兄では身長差がありすぎる。
叶斗兄は175㎝ぐらいあるが、180㎝以上ありそうな星羽兄さんの前ではちっぽけだ。
「お前に関係ないだろ。
これは俺たち家族の、兄妹のことだ」
「へ~奇遇だな。
俺も遥華と家族で兄妹なんだけど?」
"何か問題でも?"とでも言うような姿勢で私のことを庇うようなことを言ってくれた。
助けに来てくれるだけでも驚いているのに、そんなことまで言われるとは思わず目を見開き星羽兄さんを見つめる。
少しだけ星羽兄さんに近づけたということかな。
そうだったら嬉しいな。
星羽兄さんは一歩叶斗兄に近づき顔を耳に寄せると、
「あんま俺の前で舐めた真似すんな。目障りだ」
そう言うと"行くぞ"と私の手を引いてその場を後にする。
後ろで名前を呼ばれたような気がするが気にせずに星羽兄さんに着いて行った。
