その日の昼休み。
私は転入の手続きを終わらせてら教室に帰ろうとしていた時、前から愛華と叶斗兄が歩いてきた。
そうだった…叶斗兄もこの大学にいたんだっけ?
確か、経済学部の3年だ。
関わると面倒だからさっさと立ち去ろうとしたが、呼び止められて溜息を着く。
よりにもよって、周りには誰もいなくて私達3人だけだ。
「遥華、実の兄に挨拶もなしか?」
そっちこそ。
実の妹に向けて言う最初の言葉がそれ?
なんて、言わなかったけど。
私はその言葉を無視して、要件を聞く。
すぐにここを離れて教室に戻りたい。
少しでも勉強しないと置いてかれてしまいそうだ。
叶斗兄の隣にいる愛華は不敵な笑みを浮かべながら私を見ていた。
忘れていたがその笑顔が嫌いだった。
私にしか見せないその笑顔。
勝ち誇ったような笑顔を見れば、いつもの愛華の笑顔じゃないと気付くだろうが他の人の前では決して見せない。
だから騙されてるんだろうな。
今となってしまえば関係ないけど。
「一条寺家に入ってお嬢様気分だろうが、お前は俺らと縁を断つことは出来ない。
お前は今日家に帰って俺らの服を洗ったり、掃除をしろ。
いつもやっていただろ」
.........?
何を言っているのだろうか。
何故そうなる?
今の私は宮下家とは何の関係もないし、家だって今じゃ一条寺家が私の家だ。
お母さんだって家を出るときに言っていると思うが忘れてしまったのだろうか。
それに好きで自分から家事をしていたのではない。
やらないと誰も自分のことを見てくれないからだ。
でも、もうやる必要もない。
話すだけ無駄だと思い呆れながら立ち去ろうとした時、腕を捕まれる。
