最悪…せっかく宮下家と関わらなくて良いと思っていたのに…
愛華の言葉に周りにいた女の子たちが愛華に顔を近づける。
愛華の席は真ん中の列の前から二列目。
だから、小さい声で話していても私の耳には入ってきてしまう。
「もしかして、あの子が愛華がいつも言ってる出来損ないの双子の妹?」
「双子なのにあまり似てないのね」
「愛華の方が何倍も可愛い~」
「ってか、なんでそんな子がこの大学なんかに入れるの?」
「卑怯な手使ったんじゃない?」
「確かに。愛華の話を聞くとあり得るよね」
この人たちは私に聞こえないとでも思っているのだろうか。
丸聞こえなんだけど…
周りの人には聞こえないような本当に小さい声なので私以外には聞こえないのだろう。
まぁ、そんな風に言われるということは何となく予想はしていた。
だから河合先生にあるお願いをしたのだ。
『お願いがあるのですが、芸術科の模試をもう一度受けさせてください』
そう言ったとき河合先生には驚かれた。
でも、私とて卑怯な手を使うほど馬鹿ではない。
大学に入れると言われた時から考えていた。
この時期にこの芸術科の名門に馴染むにはどうすればいいのだろう。
皆苦労して勉強して入って来ている。
その子たちと対等にするには答えは一つしかないと思った。
なのでこの教室に来る前に芸術科の過去問を貰い、一般的な受験と同じ先生が見張るなか受けてきた。
だから、教室に来るのが遅くなってしまったのだけれど。
