今度こそ幸せになるの!〜母の再婚先で愛され生活〜



車に揺られること数十分。
ついに待ちに待った大学に着いた。

でも、停められたのは大学の裏門。
星羽さんが言うには表に停めると騒がれそうで面倒だとのこと。

確かに、人気があるであろう星羽兄さんが私のような女を連れていたら騒ぎどころの話ではない。


運転手さんにお礼を言い車を降りると、目の前に少し年齢の行った50代後半ぐらいの男性と40代ぐらいの女性が待っていた。
目が合ったのでとりあえずお辞儀をして、隣にいた星羽兄さんに小声で聞く。


「星羽兄さん、あの人たちは?」

「男の方がこの大学の理事長で、女の方は芸術科の教授での俺らの担任」


なるほど。
って、わざわざ出迎えに来られたと言うこと!?

その二人は微笑みながらこちらに近づいてきた。
私は緊張しているのを隠すように姿勢正しくお辞儀をする。


「は、初めまして。
今日から転校してきた...い、一条寺遥華と申します」


声が裏返ってしまったし、初めて自分のことを"一条寺"だと名乗った。
物凄く緊張した。

私が一条寺だと名乗ったのを星羽兄さんは一瞬驚きながらも少しだけ口角を上げたように見えた。

目の前にいる理事長と担任の先生は優しそうな笑顔で"こちらこそ"と仰ってくれた。