本当は高校も最初は行かせないと言われていた。
でも母からの口添えと、高校を出ていないと将来困ると言う言葉に父も珍しく納得し行かせてもらえることになった。
今思えば納得した理由は、高校を出てある程度教養を身に着ければ使えるとでも思ったのだろう。
そのことに気付いたのは私があの人に売られる…嫁に行けと言われたときだったが…
って、それはもう過去のこと。
私は首を振ってもう一度母に向き直る。
「私、大学に行けるの?」
その言葉に母は怪訝な顔をする。
だって、おかしいのだ。
今は五月。入学式なんて終わってしまっているし、授業も始まっているだろう。
実は父たちには、大学受験さえも反対されていた。
"お前なんか大学に行って何の意味がある"
"頭が悪いのに大学に入れる訳ないだろ"
"受験するだけ無駄だ"
そう言われたが、誰にも言わず受験したのだ。
でも、受験が終わって帰ろうとしたら不運なことに愛華と出くわしてしまってばれたのだ。
その日は木で出来た棒状ので叩かれ、地下の倉庫のような光も入ってこない部屋に閉じ込められた。
それだけでなく一週間碌にご飯も貰えず、いつも以上に仕事を言いつけられた。
合格発表の日も自分の番号を確認する方法もないし、あの人達が教えてくれる訳もなく流れてしまい、大学に行けなかったのだ。
だから、大学に行けないとばかり思っていた。
だから今日から高校卒でも雇ってくれるところを探そうと思っていたのに…
何もせずにこの家にいるのは悪すぎる。
