そして、その再婚相手と妹が来る日。
本当は凌羽兄もいるはずだったのだが、大学の教授に呼ばれ急遽帰らないといけなくなってしまい、俺と柊羽兄さんの二人だけになった。
俺はリビングのソファで座りこんでいた。
今すぐにでも逃げ出したい。
これから一緒に住むんだろ…本当に俺は耐えられるのか?
頭の中で独り言が止まらない。
その様子を気付いてはいるが話しかけてこない柊羽兄さんは、優雅に朝のコーヒーを飲んでいた。
と、その時家の中がいきなり騒がしくなる。
何事かと近くにいた使用人の男に聞いたところ、どうやらその妹の部屋の家具や模様替えの物らしい。
はぁ...父さんだな。
来る前から甘やかしすぎなんだよ。
これじゃ、相手がつけあがるだけだ。
全くもって気に入らない。
その時父さんが真新しい紺のスーツの襟を直しながら階段を降りて行った。
本当浮かれすぎだろ。
好きな相手が傍に居てくれるのがそんなに良いのだろうか…
俺たちも後に続いていこうとした時、兄さんの電話が鳴る。
よりにもよって今日もかよ。
俺は兄さんに口パクで"行ってらっしゃい"とだけ言って玄関に向かった。
兄さんたちの代わりに俺が品定めしてやるよ。
この時の俺はまさかその妹に心動かされる日が来るなんて、夢にも思わなかった。
