「ごめん、ちょっとビックリしただけ。
大丈夫だよ父さん。妹が出来ても俺仲良くできるから」
その言葉を聞いた父は嬉しそうに笑いながら"ありがとう"と言って自分部屋に軽い足取りで戻って行った。
それを見て笑いが漏れる。
いい年なのに浮かれてんなぁ…
俺はソファに座り直すと急に凌羽兄に肩を組まれた。
「良い子だな星羽。あんなに女の子苦手なのによく我慢した」
良い子良い子と頭を撫でてくる凌羽兄の手を払いのける。
いつもいつも子ども扱いしてきてウザい。
撫でられて乱された髪を整えていると隣からクスッと笑う声が聞こえた。
そっちを見ると柊羽兄さんの口角が上がっていた。
思わずジト目で見ると一瞬だけこちらを見て、またいつもの無表情の顔に戻った。
凌羽兄が言ったように俺は女が嫌いだ。
特に若い年齢の女は大嫌いだ。
それには勿論理由がある。
俺は…と言うか、俺たちは昔から整った容姿と家柄から色んな女が寄ってきた。
誕生日やバレンタインの時は数え切れない程のプレゼントやチョコレート。
外を出歩けば盗撮。
学校では同じ学校の奴らや他校の生徒に追いかけられる。
誰とも付き合ってないのに俺の取り合い。
かと思ったら、今度は兄たちに会わせろ。
とにかく、そんなことばかりだったから俺は女が嫌いになった。
唯一好きなのは母さんだけ。
俺の理想とも言える。
兄たちも良い思いをして来なかったらしく、俺程じゃないが女に興味がないらしい。
