少し進んだそこで都重さんの足が止まった。
「さぁ、ここが君の部屋だ」
開けてごらんと促す。
私は小さく深呼吸をしてドアノブに手をかけた。
どんな部屋が待っているのか分からなくて思わず目を閉じる。
そして扉を開き恐る恐る目を開けると、目の前の光景に声が漏れる。
そこにはパステルグリーンで統一されてて、クイーンサイズのベッドや勉強ができる机と椅子。
部屋の中にある大きな窓の傍には一人掛けのソファが二つ。
壁には森の中のオアシスを思い出させるような絵や写真。
バルコニーまで付いていた。
そして何より…
絵を描く時に使うイーゼルスタンドと様々なサイズのキャンバス。
引き寄せられるように近づくとスケッチブックと新品の色鉛筆や絵の具まで置いてあった。
部屋の中に絵を描くスペースがあるなんて、まるで夢のようで理想の部屋だった。
私は信じられないと言った様子で後ろにいた都重さんと母を見る。
二人とも手を取り合って微笑んでいた。
「私達からのプレゼントだ。
君の好きな色や好きなものをここに来る前に綾子さんから聞いてね。急いで用意したからこんな物しかないが…気に入ってくれただろうか?」
こんな物だなんて…十分すぎるくらいだ。
不安そうな二人の顔を見ていたら堪らなくなり勢いよく抱き着いた。
「おっと、」「あらあら」
二人は驚きながらも私を受け止めてくれて、クスッと笑って頭を撫でてくれた。
