【真彩side】

瑠斗さんをジッと見つめると、諦めてくれたのか、はぁ…と、ため息をされた。

「……分かった。今回だけだよ?」

そう言うと瑠斗さんはニコッと笑ってくれた。

あ…。さっきまで怒ったような表情だったのに…。

私は笑ってくれたのが嬉しくて微笑んだ。

「…可愛い。」

「え?」

「何でもないよ。」

瑠斗さんはニコッと笑って私の頭を撫でた。

やっぱり頭撫でられるのなれないな…。……あれ?そう言えば瑠斗さん…なにか言ってたような?

瑠斗さんが小さい声で言ったことは私には聞こえなかった。

そう言えば良く頭撫でられるなぁ…

「瑠斗さん。私の頭って撫でやすいんですか?」

「え?なんで?」

「最近、よく撫でられるので…」

私は照れたように笑った。

「ん~。俺は真彩ちゃんの反応がおもし……可愛いから撫でてるかな。」

絶対にいま、面白いって言おうとしましたよね!?

私が瑠斗さんに文句を言おうとすると

「ねぇ。二人って婚約してるの?」

と、蓮さんに言われた。

「あ…はい。一応。」

「一応って酷いなぁ~。俺らは愛し合った仲なのに」

あ、愛し…!?

私はボンッと顔が一気に赤くなった。

「あ、愛し合った記憶ないです!」

「あれ~?そうだっけ?」

また、遊ばれてる…!

そんな私たちのやりとりを見て蓮さんが夫婦みたいだな。と、思ったのは知らない話。