「ん~。いつか分かるよ。」

いつか?ならいいか。

「あ。分からなかった場合はちゃんと責任持って教えてくださいね。」

「いいよ。結婚して責任とるね。」

「そ、それは大丈夫です!」

まあ、婚約してるけど…。

「…目瞑ってくれる?」

「あ。分かりました。」

私が目を瞑るとおでこに柔らかい感触があった。

「もーいーよー」

「何したんですか?」

と、私がおでこを押さえながら言うと

「内緒♡」

と、ウインク付きで言われた。

ん~まあいいか。

私はあまり気にしないことにした。

「あの…そろそろ退いてくれません?」

いつまでもこの体制なのは、恥ずかしい…

「え~。名前で呼んでくれるならいいよ?」

な、名前?

「瑠斗さん…」

「うわぁ~。あっさり言うね。全然意識してくれてないじゃん。」

意識…

「意識は…してます。」

「え…まじで?」

瑠斗さんは驚いた顔をしていた。

「あ…はい。……たぶん。」

「たぶんか~。じゃあちゃんと意識して貰えるように頑張るわ。」

「が、頑張ってください?」

「よく分かってないのに言わないでいいから…」

そう言いながら私の上から退いてくれた。

「真彩ちゃんって呼んでいい?」

「ど、どうぞ…」

ちゃんで呼ばれるのは少し、こそばゆいなぁ…。

「あ。そう言えば真彩ちゃんってさ~」

「なんでしょう?」