駅に着いた2人は最後の会話をしながら電車を待っていた。






「次は会えるのは冬休みだな」







「そうだね。その時はみかっち達にも会いたいな」






白矢くんに会えたのは嬉しかったけど、やっぱり友だちとも文化祭を楽しみたかったな。








「俺は日和と2人がいいな。あの3人が来たら日和とゆっくり出来ないし。日和を一人いや、3人占めされる」








確かにみかっち達がいたら私を離しそうにないだろうな。特にりーちゃん。







白矢くんがそれでヤキモチ妬いてるのはちょっと見てみたいかも。








「何?日和変なこと考えているでしょ?」







「な、なんにも考えてないよ...!」







「顔赤い。俺に隠し事するなんて悪い子だな」







「え?」






日和の小さい頬っぺを両手で包んだ白矢はゆっくりと、唇を日和に近づけた。






ちょっと白矢くん!?まさかまたキスするんじゃ!待って待って!心の準備が。






ていうか、さっきも心の準備ができてなかったのに、またキスするなんて...!私、耐えられないよ!







「トリック・オア・トリート。お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ?」








「へ?あの、白矢くん。キスは?」








唇をとがらせて白矢からのキスを待っていた日和だが、期待を裏切らぎられてしまう。








「なんの事?悪い子の日和にそんなことするわけないでしょ。それとも期待した?」








自分の勘違いに気づいた日和はみるみる顔が赤くなっていった。