【完】好きだからそばにいるんだよ

『次はこの方たちの告白だー!』






将流の合図で観客たちは拍手を次の生徒に送った。その拍手と共に出てきたのは日和と木乃実。






「日和!?」







「木乃実まで。アイツらがほんとに出るとは思わなかった」







驚く白矢と桐斗。それと負けないくらい日和と木乃実は緊張していた。






「あわわわ...!木乃実ちゃん、人がいいぃ...いっぱい!」





想像以上のお客さんの数に驚く日和。






「だから帰ろうと....」






木乃実は今すぐここから立ち去りたい気持ちでいっぱいだった。






『それでは最初はドレスと同じくらい綺麗な先輩から』






将流は木乃実にマイクを渡した。緊張でガタガタと震え始めた木乃実。マイクをギュッと握って今の気持ちを告白した。






『....くだらない』





そう言い残してステージをおりた。本当なら、大会への文句を言いたい木乃実だったが、ここは先輩の意地として発言を慎んだ。






シーンとする体育館。この空気をすぐに変えようと、将流はマイクを手にして進行を続けた。







『では続いてはヒヨコのポンチョがとってもキュートなこの先輩』






将流からマイクを受け取った日和。だが、ステージの空気に呑まれて、上手く話せなくなる。






どうしよう。緊張して声が出ない。







『先輩はこの大会に参加したのは、誰かに愛の告白を?それとも最近あった嫌なことですか?』






緊張していることを悟った将流は自分から日和に質問をし、緊張をほぐそうとした。







日和は参加した理由を考える。ステージをおり木乃実はすぐ、桐斗を見つけて、駆け寄った。







「木乃実。お前なんで参加したんだ?」







「日和がお人好しを働かせて、参加せざるを得なったのよ」