【完】好きだからそばにいるんだよ

「いや〜弟がここで司会をしていると聞いて、見に来たんですよ。おふたりはどうしてここに?」






「弟?もしかして、広瀬将流か!?」






桐斗はすぐにピンと来た。思い返せば、苗字や話し方がそっくりだった。







「えぇ。なんですか。もう会っていたんですか。それはそれは。てことはもしかして、中原さんたちは弟の将流に誘われてここに来たんですね」








「誘われたんじゃなくて、連れていかれたんだ。どうなってるんだ。先輩のところの弟は...!」







「おやおや。それは申し訳ありません。弟の将流はこの大会を盛り上げようと、必死に客寄せをしてただけで。多めに見てやってください」







「すいません。この大会の参加者は、どこに行けば会えますか?」







白矢は大会が始まる前に日和を連れ戻したい。









広瀬なら、日和たちがどこにいるか分かると確信して居場所を聞き出す。








「おや?あなたは...」






「白矢といいます。中原から衣装の手伝いをしてもらったことは聞いています」







「ほほう。もしかしてあなたは中原さんの彼氏そん?でしょうか。なかなかのイケメンで。広瀬亜子、久しぶりにこんなイケメンに会って、眼福です」







「先輩。そんなことより、2人の居場所を...!」






桐斗も、白矢と同じで早く2人を連れ戻したいと思っているため、痺れを切らして広瀬に少し当たるような形で居場所を尋ねた。