【完】好きだからそばにいるんだよ

日和の一言でさっきまでバチバチと音を立てていた火花は収まり、睨み合うのをやめた。






4人がいたのは1年生教室の廊下。周りにいた1年生たちはほとんどの人が怖がって、震えていた。







そんな中、1人の1年生の男子が近づいてきて、日和の木乃実の手を掴もうとする。






「おい!」







その男子は桐斗の一声でピタリと掴むのをやめて、手を後ろで組んだ。






「これはこれは失礼しました先輩方。僕は1年の広瀬 将流(ひろせ まさる)。そこいる先輩方に用事があってきました!」







「用事ってなんだ?さっさと済ませろ」







桐斗の迫力に動じることなく、将流は話を進めるかと思いきや、隙を見て日和と木乃実の手を掴み、どこかへ連れいってしまう。






「日和!」





「おい待て!」






桐斗と白矢はすぐに追いかけたが、見失ってしまう。






将流は目的の場所に着くと、日和と木乃実の手をパッと離した。





「さぁさぁ着きました」







「ここって体育館ステージの裏?日和大丈夫?」






「だ、大丈夫。えーと将流くんだっけ?私たちをここに連れてきた理由って何?」






「ふっふっふー!よくぞ聞いてくれました!おふたりには今から開催される、僕のクラス主催の『告白大会』に出場してもらいます」







「「告白大会!?」」








「はい!ルールは簡単。ただステージの前で告白をするだけ。内容はなんでもいいです。愛の告白や今まで隠していたことなど。自分が言いたいことを大声で言う、そういう大会です」