【完】好きだからそばにいるんだよ

おそるおそる白矢の手に自分を手を重ねた。








白矢は優しく日和の手を包み込み、やわらかい笑みを浮かべた。









「日和の手、温かい。緊張してる?」







「してるよ。白矢くんと手を繋ぐの初めてだし」








「俺もだ。緊張するのは仕方ない。これから沢山楽しもう。これが俺たちにとって、初めての『デート』なんだから」







白矢くん少し会わない間に男の子っぽくなってきているよ。








今日1日、私の心臓はこのドキドキに耐えられるかな?





「日和?」





「白矢くんかっこよすぎ」






予想もしていなかった言葉。白矢は日和から目を逸らして、手で顔を覆って、赤くなった顔を隠した。





「あとでどうなっても知らないからな?」





「え?」





手で口を抑えていたため、白矢の声は日和には聞こえていない。






「回るか」






「うん...!」






出店を回り始めた2人は、最初に3年生が売っているフルーツ飴を買った。







白矢はキウイ、日和はイチゴのフルーツ飴。この果物も農家から分けてもらったもの。








同じく形はイマイチだが、その大きさはスーパーなどで売っているのよりとても大きい。







一口噛むと、飴の甘みとフルーツの甘酸っぱい味が口いっぱいに広がった。