【完】好きだからそばにいるんだよ

日和は桐斗にとあることを伝えて木乃実を探しに行ったがチャイムが鳴ってしまい、教室に戻ることになった。





教室に戻ると木乃実は教室におらず、早退したとあとから先生に聞いた。





先に帰っちゃたんだ。同じクラスだから気まずくなったんだ。今日がダメなら明日また矢島さんに話しかけよう。





「くしゅん!」





最近寒くなってきた。そろそろ薄い上着着て学校行こうかな。





「はっくしょん!」





公園の方から日和と同じく、くしゃみをしている人がいた。





あの人も寒いんだ。私と同じだね。...あれ?あの後ろ姿見たことがあるような。





日和はじーっと見つめると、その人は日和の視線に気づいたのかクルっと振り向いた。





「矢島さん!?」





「え?」





木乃実だと気づいた日和はすぐ、そばに駆け寄る。





「矢島さん早退したって聞いたけど大丈夫?さっきくしゃみしてたけど」






「大丈夫。ずっとここにいたから冷えただけ」






「ずっと?お家に帰らなかったの?」





「帰っても親は仕事でいないし」





「そうなんだ。ねぇ、矢島さん。私今からおばあちゃん家に行くんだけど、一緒に行かない?」





「いい。迷惑かけるだけだから」





「迷惑なんて私もおばあちゃんも思わないよ。ね、行こう」





「う、うん」